実生苗の育苗にチャレンジ!


家庭菜園の、楽しみの幅が一気に広がる自家育苗。苗が自給出来ると、栽培できる品種数が桁違いに増えて、よりどりみどりです!


写真 さて、季節は3月。まだまだ寒い日が多いですが、たまに暖かい日になると小春日和になり、家庭菜園をやっていると、にわかにソワソワしてしまいます。


スイカやメロン等、ウリ科野菜の苗を自家育苗するのであれば、この3月が行動開始のタイミングです。 (ピーマンやトマト等のナス科は、2月スタート!)


写真 育苗ビギナーの方は、まずは「実生苗」を育苗してみると良いでしょう。実際に実生苗を育苗してみると、色々なことが見えてきます。

気温・地温・水分、等々の他に、文献から得られる知識とは全く違う、それぞれ個々の菜園特有の環境差、別次元のスキル(俺んちルールみたいなものです)が必要になってくると言うのが、良く解ると思います。


実際に実生苗を育苗して、色々経験しスキルが身についてくると、量販店や園芸店の店頭で販売されている苗の善し悪しが、解るようになってきます。今まで何とな〜く、良さそうと思って選んでいた苗が、的外れだった...、と言う事も。逆に、良くこの時期にこんな立派に育苗出来るものだ!と、感心する事もあると思います。また、苗を購入してきて菜園に定植する場合でも、小さな若苗の育苗を経験したスキルをお持ちの菜園家は、また管理の仕方が変わってきます。
はたから見ている分には、同じ事をやっているように見えても、違いが出てきます。
(市民農園みたいな所で、同じようなものを栽培しているのに、やたら上手な人、タマにいるでしょ?)


写真 そして、将来、接木苗にチャレンジしようと考えているなら、実生苗がキッチリ育苗出来なければ話になりません。

色々なノウハウや経験が身につく「育苗スキル」身につけておいて損は無いと思います。


写真 ここでは、「ピノ・ガール」の実生育苗をダイジェストで記載致します。基本、ウリ科全般に応用が利くと思いますので、話題沸騰中の「金色羅皇」や超高糖度メロンの「ムーンライト」等色々チャレンジしてみて下さい。

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播種前日に培土を詰めてタップリ潅水し、不測の乾燥等無いように新聞紙やタオルを上にかけて、日陰で一晩放置します。播種準備は1日前からスタートが「吉」この下準備がとっても大事です。

播種・催芽・苗作り、悩む水分管理。その壱

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播種する種子を、分かりやすい鉢皿等のようなものに出します。水に浸漬はしません。
前日に潅水しておいた9cm黒ポットの培養土を軽く鎮圧し、種子を均等にばらまき、覆土し軽く鎮圧します。 覆土が湿る程度に、シャッと潅水した後、乾燥防止のため先ほど使用した鉢皿をひっくり返して被しておきます。この状態で、玄関先の下駄箱の上など常温の所で一晩放置します。
この「常温の所で一晩放置」と言うのが、本職の育苗屋でも知らない人が多い、地味ですけど、とっても大事なテクニック!理由はわかるかな?

一晩かけて、種子に十分ゆっくり吸排水(←これ答えね♪)させたら、発芽温度まで地温を上昇させます。(西瓜やメロン等のウリ科はザックリ地温25度あればOKです。)この温度をかける方法は人それぞれ千差万別です、皆さんの創意工夫が見られるところですね〜。私はハ〇スターぬくぬくマットを使っています。コレね...最高ですっ!


寒い時期からスタートする苗作り、頭を悩ませる温度確保。
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写真 ポットに温度をかけてから、約5日〜1週間ほどで土が割れてきます。頭を上げてきたら、気温20度を下回らないように注意しながら可能な限り太陽光線に当てましょう。

ちなみに播種後、潅水は全くやっていません。

店長のつぶやき...。
写真 ちなみに、西瓜の発芽に光はあっても無くても構いません。いわゆる「中間性」と言う奴ですね。発芽の際に特に重要なのは「温度」と「水分」、播種〜発芽までの約1週間、「温度」「水分」をいかに安定させるかが勝負の分かれ目になります。
要は、乾燥させなければ、潅水する必要は無いわけです。潅水しなければ、急な地温の変化や水分変化はない訳です。そんなわけで、私は鉢皿を土が割れてくるまでかけっぱなしにして、潅水は一切行いません。割れ始めたらたら鉢皿を外します。(発芽には光は要らないけれど、双葉には光は必要。いつまでもかけっぱなしにしているとモヤシになるよ!)


発芽と育苗培土の量について考える
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さらに約10日後、双葉が完全に展開しました。そろそろ鉢上げのタイミングです。必要な本数分、鉢上げ用ポットを準備します。


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鉢上げ用のポットは、必ず前日に潅水を終わらせて、培土の含水量を安定させておきましょう。さらに、鉢上げ当日はポットをビニール袋などに入れて、直射日光の当たる所へ置いておき、少なくとも地温を15度前後まで必ず上げておきましょう。
可能であれば、20度〜25度位まで上げてやるとなお良いです。日なたに置いておけば、必ず地温は上がります。早めに準備を始めましょう。


育苗した穂木のポットを抜き、パカンと割って平たくします。おにぎりを割るイメージで大胆に、かつ繊細に、ジワリと割ります。
この時、たまに細根が切れる音が少し「プツプツっ」として、ビギナーの方はドキドキすると思います。けど、何回かやっているウチに慣れます...。


根を傷めないように、軽く土をふるいながら1本ずつ穂木をばらし、準備してあったポットに入れていきます。
ポットの培土には、事前に穴を開けておくと作業がスムーズです。6鉢すべてに穴を空けておきましょう。


写真 人差指・中指・親指の3本を第2関節ぐらいの深さまで培土に突っ込んで、土ごとキュッと土寄せして、苗を安定させます。この時、苗が傾いてしまって真っ直ぐに修正したい時、苗はもう触らないようにし、指を深く差し入れて土ごと回し角度調整して下さい。

土寄せは、なるべく一発で決めましょう!胚軸が垂直になるように3本の指をジワジワ動かし、しっかり培土に密着させましょう。

鉢上げ時のコツは、「ポットの地温を上げておく」「根を培土に密着させる」と言う2点。根が今までいた環境から、全く違う環境に移されるわけですから、根の事を考えて環境を整えてやりましょう。
(このスキルは仕上がった苗を圃場に定植するときに役立ちます。)

活着不良について考える。
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鉢上げ直後は根がまだ活着していないので、強い直射日光に当てるとしおれる場合があります。2〜3日不織布などをかけておくと良いでしょう。しおれが無くなったら、速やかに不織布を外し日光を十分に当て、徒長させないように注意します。
鉢上げから5日後(不織布除去から3日後)小さな本葉が展開してきました。根が順調に活動しているようです。全鉢活着と見て良いでしょう。


写真 日中は最高気温30度を超えないように気をつけながら極力太陽光線を当て、夜間は空間湿度をなるべく下げて、気温15度を下回らないように管理します。是非とも「最高最低温度計」をひとつ準備して下さい。量販店の園芸コーナーで2千円位で売っています。この「最高最低温度計」は、スイカやメロンの積算温度を計算する目安に使い回せます。

出番は多いです、無駄にはなりません。

育苗ビギナーが、一番育苗トラブルに巻き込まれるのは「低温+多湿」状態で起こる色々な生育障害です。頭の隅っこで構いませんので、「低温+多湿」は良くない!と覚えておいて下さい。特に「夜間の多湿は最低!」と思って下さい。


写真 店長のつぶやき...
私が育苗で愛用しているのは、いわゆる「一坪温室」です。通販や量販店でキットで販売されている奴ですね。自分で書いておいて何ですが、上記の最高気温30度越えないよう、最低気温15度を下回らないよう、って結構難しいです。特に最低気温15度と言うのは、それなりの熱源がないと、いかに小さな一坪温室といえど夜間キープ出来ません。それなりに数量を育苗される方(もうビギナー卒業してますね)は、何かしらの設備投資or工夫(低温多湿に注意して、特に多湿に注意して!)して頂いて、ビギナーの方は夜間は自宅に連れ込みましょう。そして、なるべく住人が活動している付近に置いておきましょう。
住人がいる部屋は、例え暖房が止まっていても、野外より絶対暖かいです。そして、結露して葉がビチャビチャになることも無いと思います。(ただ、蹴りとばなさいように...メンタルをやられます...。)


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潅水用の水も、なるべく気にかけてやりましょう。春先水道の水は、まだ冷たいです。直で潅水すると一気に地温が急降下し、根がダメージを受けます。育苗スペースに余裕がある場合は、水差しやペットボトルに水を入れ、同じ所に置いておきましょう。水温と地温の差がおのずと少なくなり、意図せぬトラブルを回避できます。
もしくは、育苗ポットに温度計を挿しておき、地温と同じ水温の水を、家の給湯器で作って潅水するのも良い方法です。


はいはい、順調に生育しています。日中はなるべく直射日光に当ててしっかり光合成を行わせ、健全に生育させます。
また、気温が20度前後確保出来ているような環境なら、意識して換気も行い蒸し込まないように注意しましょう。


本葉が展開し葉枚数が増えてくると、晴天日は葉からどんどん水分を蒸散させ、盛んに光合成をします。培土の水分消費も増加します。過乾燥で萎れさせると大ダメージですので、潅水には注意しましょう。


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そして、潅水はメリハリが大事です。やる時は鉢底からしたたるまでしっかりと。控えるときは萎れない程度まで我慢します。
乾燥度合いのアタリを付けるために、ご自身で使用されている培土が満吸水状態時の重さを、感覚で覚えておきましょう。


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一番やってはいけない潅水の仕方が「毎日ちょっとやる」です。なぜダメかというと、ほとんどの場合「ちょっとやる」とポットの上だけが湿って、底が乾いてしまうんです。こうなると、生育初期に伸長した大事な種子根が、ダメージを受けてしまいます。
ポットの底が乾くと言うのは意外かもしれませんが、実際結構あるんです。根の大部分がポットの底に集中しているので、やっちゃうと「よわよわの徒長苗」になってしまいます。

上画像の苗は、あんまり底が乾くから根が水分を求めて上に上がってきているのがわかりますか?この状態で潅水が遅れて乾かしてしまうと、さらに根が大ダメージを食らいます。


写真 はい〜、そろそろ定植出来るサイズになりました。季節は4月下旬、丁度ゴールデンウィークに定植できそうです。鉢上げから約1ヶ月と言った所ですね〜。

今回の、ピノ・ガール実生育苗のスケジュールをおさらいすると、播種が3月中旬、鉢上げが4月上旬、仕上がりが4月下旬と言った感じ。日数で言うと大ザックリ45日と言った所です。
本職の育苗屋が行うと、気温も地温も安定した環境で生育しますので、もう少し早く柔らかめに仕上がります。

写真 でも、私たちは家庭菜園ですので、ゆっくり、しっかり、健全に、丈夫に、育てましょう。商売じゃないからねっ!





写真 実生育苗をマスターした、そこの貴方!接木育苗にチャレンジしてみませんか?家庭菜園の幅がさらに広がり楽しいですよ〜っ!

呼び接ぎにチャレンジ!
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