苗作りの最初の難関、発芽と育苗培土の量について考える。

種子の安定発芽は、安定した環境作りから。育苗、発芽と培土量について考える。

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家庭菜園の楽しみのひとつに「スーパーではあまり見かけないレア物や話題沸騰の品種や作物」を、栽培して食べることが出来ると言うのがあると思います。また、意中の品種をタネから自家育苗し栽培するのも、これまた楽しいものです。
西瓜業界に衝撃が走った、最高糖度17度超えのゴールデンスイカTM「金色羅皇」や、マイクロシード®の「タネまで食べられるピノ・ガール®」などなどっ!


写真 そこで、「よし!苗を作るぞ!」と考えるのは楽しいひととき。カタログやWEB、専門店の種子コーナーなどを見て回ると、こんなにも多種多様な品種があったのか!と驚くと思います。
店頭で販売されている苗も色々あるけれど、種子のバラエティーはその比では無いね!ぜひ一度、品揃えの良い専門店の種子コーナーを覗いて欲しい!楽しいよっ!


写真 しかし、現実問題として最低限一定のスキルが無いと種子を「発芽」させることもままなりません。

植物の種子は「工業製品」では無く「生き物」ですので、「土に蒔いて、水かけとけばOK!」とはいきません。(いくときもあるけどね〜♪)


写真 家庭菜園ビギナーにとって「発芽」は最初の難関。どんなふうに播種すれば良い?培土はどんな物を使えば良い?潅水はどんな感じでやれば良い?温度はどんな感じ?みたいな感じデスよね。


まず、チョイとお堅い話。種子の発芽は3つ(4つ)の条件に支配されています。
「温度」「水分」「空気」(「光」)です。

「光」に()をつけている理由は、植物の種類によって、必要(好光性)不要(嫌光性)どちらでもよい(中間性)、と分かれているからです。
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この条件を満たしていなければ、いかに高価な資材を使おうとも、立派なビニールハウスでやろうとも、自分はベテランと自負していても、毎年同じようにやっていても、芽は出てきません。

逆に言えば、この条件を満たしていれば、畑に直播しても、ポットに蒔いても、セル育苗でも、育苗箱でも、水耕栽培でも、家庭菜園ビギナーでも発芽します。


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完璧な人工気象室みたいな部屋が必要かと言えば、そうではありません。

植物の種子は「工業製品」では無く「生き物」ですので、自然界で当然ある環境変化「一定のブレ幅」の中に収まっていれば、遅かれ早かれ発芽します。

(連日ブレ幅を大きく外し続けると、種子は休眠or死滅します。)



写真 つまり「播種しても発芽してこない」という状況は、「温度」「水分」「空気」(「光」)3つ(4つ)の条件が一定のブレ幅から大きく外れていると言う事になります。

そして家庭菜園ビギナーが意図せず大幅にブレさせてしまうのは「温度」と「水分」です。これらのブレを軽減するためにはどうしたら良いか考えてみましょう。


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このステージで言う温度とは、「気温」では無く「地温」です。土の温度のことですので、気温が25℃あるからと言って、地温も25℃あるとは限りません。ガラスの棒温度計等を培土に挿してみて、地温の変化を可視化してみて下さい。
(特に、日中の最高温度と早朝の最低温度。←これが温度のブレ幅)

寒い時期からスタートする苗作り、頭を悩ませる温度確保。
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このステージで言う水分とは、培土がそこそこ湿っていれば十分です。ほとんどのケースで播種〜発芽までの期間、毎日潅水する必要はありません。
(必要になる場合もあります。←これが水分のブレ幅)

播種・催芽・苗作り、悩む水分管理。その壱
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家庭菜園ビギナーの方は発芽に関しては、「育苗箱」か「ポット育苗」がオススメ、「セルトレイ育苗」は難易度チョイと高め、あまりオススメしません。まずは安定した環境作りを心がける!

写真 最近よく店頭や雑誌なんかで、セルトレイなどにビシッと整然と育苗された苗を目にする機会が多くあります。あれは完成品を見ている分には、非常に気持ち良いですね!

あれをウチでもやりたい!と、皆思ってしまいます...。(わたくしもまねごとをやっております。)


皆さんは育苗をするとき、容器は何を使われていますでしょうか?ビニールポット、セルトレイ、タッパー、育苗箱、皆さんそれぞれだと思います。うまく行っている方は問題ありません、自身のスタイルでOKです。 発芽が上手く行かない方は「発芽条件が一定のブレ幅から大きく外れている」と前にお話しましたね。

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環境変化のスピード「いわゆるブレ幅」はスペースが小さいほど早く、大きいほど遅く変化します。イメージすると、グラスの麦茶に氷を2〜3個入れると、すぐに冷たくなり美味しく頂けますよね。同じように風呂桶に氷を2〜3個いれても、水温にほぼ変化はありませんよね?四畳半の和室に大型ファンヒーターひとつ置いておけば、速効で暑くなり大汗をかいてしまいますが、広い会議室では快適温度でキープできますね?

育苗時の土の量でも同じ事が言えます。多い方が安定します。セルトレイの一セルに入っている土の量なんてほんのちょっとです。暑くなりやすく冷めやすい。過湿になりやすく過乾燥になりやすい。
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どうでしょうか?培土の環境は、セルよりはポット、ポットよりは育苗箱の方が安定しやすいと言うのは、何となくイメージ出来ましたでしょうか?
本数が必要な場合は、播種量を増やせば良いのです。



三角座りが限界の小さな五右衛門風呂に1人で入るより、のびのび手足が伸ばせる銭湯に皆で入った方が快適ですね。



さて、環境は広い方が安定すると言うのはイメージして頂いたと思うのですが、そうは言っても培土が乾燥した場合は、潅水しなければなりません。しかし、潅水すると「水分のブレ幅」が大きく変動し、さらに水温が低ければ「温度のブレ幅」も大きく変動します。つまり、出来ることなら「発芽するまでは潅水しない」のが「ブレ幅を抑える」コツと言う事です。

写真 私の個人的な見解を、僭越ながらここで言わせて頂きますと、播種後、1週間程度は潅水しなくても良い位の培土量・環境で、発芽まで持っていけたら良いと思います。

経験上、9cmポット以上の大きさがあれば、1週間程度なら大抵事足りると思います。セルトレイは潅水無しではキビシい...。


写真 播種量を増やしても、双葉展開時点で鉢上げのタイミングですので徒長するまで置きませんから大丈夫。

植物は、発芽が一番デリケートです。発芽を乗り切れば、多少環境がブレても、多少頑張ってくれます。発芽を確認できたら、潅水も必要なら随時行います。


写真 左画像は「夕顔台木」。上画像のスイカと呼び接ぎをしようと思い、同時進行で育苗中です。

比較的大柄な種類でも、双葉完全展開までは9cmポットで事足りると思います。(もっとも苗の必要本数によりますけれどね。)


写真 じゃあ、環境の広さで言えば、畑やプランターに直播するのがベストじゃないか!と言う声が聞こえてきますね。その通りですが、播種する時期に3つ(4つ)の条件「温度」「水分」「空気」(「光」)を満たす事が出来たらですね〜。
特に「温度(地温)」は難しいですよ、暖地でも3月なら朝方、良くて一桁、悪ければマイナスまで落ちていると思います。(播種前に温度を実際測ってみると良いですよ、論より証拠です〜。)


だから播種を5月まで待てる、オクラやスィートコーンなんかはマルチで地温を上げておいて、畑に直播すると良いわけです。

地温ってどんな感じ?
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写真 セルトレイ育苗は、本職の育苗屋・農家が、労力軽減・効率アップのために考案された技術です。

大型施設を持たない我々家庭菜園家では、ややハードルの高い育苗方法になります。
キレイに仕上がったら格好いいけれどもネ!

(でも、私たちの目的は、苗の販売じゃないし〜(^0^;))


写真 でも、ここまで読んで頂いている貴方なら、理屈はもう理解されていますよね?

さて、自身の育苗スタイルに落とし込んでみたとき、メリット・デメリット、どちらに天秤が振れますか?


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選択するのは貴方次第!さてさ〜て?

実生苗の育苗にチャレンジ
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